「会社のことをもっと知ってもらいたいけれど、広報担当者がいない」
「広報に興味はあるものの、専任担当者を採用する余裕がない」
「社長や社員が広報を兼任しても大丈夫?」
このような悩みを抱えている中小企業は少なくありません。
広報というと、大企業の広報部門のように、専任担当者がメディア対応やプレスリリース作成などを行っているイメージがあるかもしれません。
しかし、専任の広報担当者がいなくても広報活動を始めることは可能です。
むしろ中小企業の場合、最初から大規模な広報体制を作る必要はありません。
できることから少しずつ始め、会社に合った広報の形を作っていくことが重要です。
この記事では、広報担当者がいない中小企業に向けて、広報を始める5つの方法や具体的な進め方、成功させるためのポイントをわかりやすく解説します。
中小企業に広報担当者がいないのは珍しくない
中小企業では、一人の社員が複数の業務を担当することがあります。
営業とマーケティングを兼任したり、人事担当者が採用広報まで担当したりするケースもあるでしょう。
そのため、
「広報をやりたいけれど、専任担当者を置く余裕がない」
という会社があっても不思議ではありません。
特に、これまで紹介や営業活動を中心に顧客を獲得してきた企業の場合、そもそも「広報」という役割自体が社内に存在しないこともあります。
しかし、広報担当者がいないからといって、広報活動そのものを諦める必要はありません。
重要なのは、「広報部を作ること」ではなく「自社の情報を社外へ届ける仕組みを作ること」です。
そもそも中小企業に広報は必要?
「大企業ならともかく、中小企業に広報って必要なの?」
と思う経営者もいるでしょう。
しかし、知名度がまだ高くない中小企業だからこそ、広報活動には意味があります。
たとえば自社が良い商品やサービスを持っていたとしても、その存在を誰も知らなければ問い合わせにはつながりません。
採用でも同じです。
仕事内容や会社の魅力が求職者に伝わっていなければ、求人を出すだけでは十分な応募を集められないことがあります。
広報活動を続けることで、
会社・商品・サービスの認知向上、採用活動の支援、企業イメージの形成、取引先や顧客との接点づくり
などにつながる可能性があります。
つまり広報は、大企業だけのものではありません。
「自社を知ってもらう必要がある企業」にとって重要な活動と考えるとわかりやすいでしょう。
詳しくは
中小企業に広報は必要?広報のプロがバッサリ回答!もあわせてご覧ください。
広報担当者がいない会社が広報を始める5つの方法
それでは、専任の広報担当者がいない会社はどうすればよいのでしょうか。
ここでは、中小企業でも取り組みやすい5つの方法を紹介します。
1.経営者自身が広報を担当する
会社を立ち上げたばかりの段階や社員数が少ない企業なら、社長自身が広報を担当する方法があります。
実は経営者は、広報に必要な情報を非常に多く持っています。
たとえば、
「なぜこの会社を作ったのか」
「なぜこの商品を開発したのか」
「どんな社会課題を解決したいのか」
「今後どんな会社にしていきたいのか」
といった話です。
こうした情報は、企業のストーリーとしてメディアや顧客に興味を持ってもらえる可能性があります。
一方で、経営者がすべての広報実務を担当すると負担が大きくなります。
そのため最初は経営者が情報源となり、記事作成やSNS運用などの実務を別の社員が担当する方法もあります。
2.既存社員が広報を兼任する
中小企業で比較的始めやすいのが、既存社員に広報を兼任してもらう方法です。
たとえば、
営業+広報
人事+採用広報
マーケティング+広報
総務+広報
などの組み合わせが考えられます。
ただし注意したいのが、
「今日から広報もお願い」
と仕事だけ追加してしまうことです。
広報には、情報収集、文章作成、SNS運用、社内調整、メディア対応などさまざまな業務があります。
本来の仕事を100%抱えた状態で広報まで追加すると、どうしても広報の優先順位が下がります。
兼任させる場合は、
「週に○時間は広報活動に使う」
など、広報に使える時間を確保することが大切です。
一人で担当するときの業務の整理には、ひとり広報が最初にやるべきことを参考にしてください。
3.SNSや自社サイトから情報発信する
広報活動というと、テレビや新聞に取り上げてもらうことだけをイメージする人もいます。
しかし現在は、自社で情報を発信する方法も数多くあります。
たとえば、
X、Instagram、Facebook、YouTube、自社ブログ、オウンドメディア
などです。
特にSNSは比較的低コストで始められるため、中小企業でも取り組みやすいでしょう。
ただし、
「とりあえず毎日SNSを更新する」
だけでは目的が曖昧になってしまいます。
誰に何を知ってもらいたいのかを決め、その目的に合った媒体を選ぶことが重要です。
4.プレスリリースを活用する
中小企業が広報を始めるうえで、ぜひ知っておきたいのがプレスリリースです。
プレスリリースとは、新商品や新サービス、イベント、調査結果、企業の取り組みなどの情報を報道関係者などへ伝えるための公式文書です。
たとえば、
新商品・新サービスの開始
新店舗・新拠点の開設
他社との業務提携
イベント開催
独自調査の発表
新しい取り組みや制度の開始
など、企業活動のさまざまな出来事がプレスリリースの題材になります。
プレスリリースを配信したからといって必ずメディアに掲載されるわけではありません。
しかし、自社だけで情報発信するのとは違い、報道関係者などに情報を届ける接点を作れるのが大きな特徴です。
「広報担当者はいないけれど、会社のニュースをもっと外部へ届けたい」
という企業にとって、検討したい広報手段の一つです。
詳しくは
広報担当者必見!!プレスリリースの仕組みと使い方もあわせてご覧ください。
5.広報業務の一部を外部へ依頼する
社内に広報のノウハウや時間がない場合は、外部の専門家やサービスを利用する方法もあります。
たとえば、
広報戦略の設計、プレスリリースの作成、メディアリスト作成、メディアへのアプローチ、SNS運用
などを外部へ依頼する方法があります。
すべてを外注する必要はありません。
「社内で情報を集めるところまでは自分たちで行い、プレスリリース作成だけ依頼する」
といった使い方もできます。
社内の人員や予算に合わせて、必要な部分だけ外部の力を借りるとよいでしょう。
広報担当者がいない会社は何から始めればいい?
ここまで読んで、
「結局、最初に何をすればいいの?」
と思った人もいるでしょう。
おすすめは、いきなりSNSアカウントを開設したりプレスリリースを書いたりするのではなく、まず「広報の目的」を決めることです。
たとえば、
商品・サービスの認知度を上げたい
問い合わせを増やしたい
採用応募を増やしたい
会社の信頼性を高めたい
などです。
目的によって、発信する内容も使う媒体も変わります。目的が決まったら、次は年間の事業予定と発信テーマを重ねて「いつ・何を・どの方法で届けるか」まで計画すると、担当者がいない会社でも広報を継続しやすくなります。年間スケジュールの作り方は「中小企業の年間広報計画の作り方」も参考にしてください。
「何となく広報を始める」のではなく、
誰に、何を、なぜ伝えるのか
を最初に整理しましょう。
最初から毎日発信する必要はない
広報を始めると、
「SNSは毎日更新しないといけない」
「毎月何本もプレスリリースを出さないといけない」
と思ってしまうことがあります。
しかし、無理な運用体制を作って数ヶ月で止まってしまっては意味がありません。
中小企業の場合は、
月1本プレスリリースを検討する
月2本ブログを更新する
週2〜3回SNSで発信する
など、自社が継続できるペースから始める方法もあります。
大切なのは投稿本数そのものではなく、継続して情報を外部へ届けられる仕組みを作ることです。
広報に使える「ネタ」を社内で集めよう
広報を始めた企業がよくぶつかるのが、
「発信することがない」
という問題です。
しかし、社内では意外と多くの出来事が起きています。
新商品の発売だけが広報ネタではありません。
新しい社員が入社した、社内制度を作った、お客様から面白い活用事例が生まれた、イベントに参加した、新しい技術を導入した――。
日常の中にも情報発信につながる材料があります。
おすすめなのが、社内に「広報ネタ箱」を作ることです。
チャットツールや共有シートなどに、
「これ、広報に使えるかも?」
と思った出来事を社員が書き込めるようにします。
広報担当者一人でネタを探すより、社内全体から情報が集まる仕組みを作った方が継続しやすくなります。
中小企業はいくらから広報を始められる?
広報活動には、必ずしも大きな予算が必要なわけではありません。
自社サイトの記事作成やSNS運用など、社内で行えば直接的な外注費を抑えられる施策もあります。
一方で、プレスリリース配信サービス、広報支援会社、ライター、SNS運用代行などを利用すれば費用が発生します。
そのため、
「広報予算をいくら確保するか」
だけで考えるのではなく、
「何を社内で行い、何を外部に任せるか」
を決めることが重要です。
PR Compassでは、中小企業の広報予算について解説した記事も掲載しています。
予算を決める際は、そちらも参考にしてください。
中小企業の広報予算はいくら?月5万円から始める広報の第一歩を詳しく解説
広報担当者がいなくてもプレスリリースは出せる
「プレスリリースは広報のプロが書くもの」
と思っている人もいるかもしれません。
しかし、基本的な構成やポイントを理解すれば、専任広報がいない企業でも作成できます。
重要なのは、
誰に伝えたい情報なのか
何が新しいのか
社会や読者にどんな意味があるのか
を整理することです。
会社側が「すごいニュースだ」と思っているだけでは、メディアにとってニュース価値があるとは限りません。
自社目線だけではなく、情報を受け取る側の視点でニュースを整理することが重要です。
広報担当者がいない中小企業こそ「小さく始める」
広報担当者がいないからといって、いきなり専任担当者を採用する必要はありません。
まずは、
目的を決める
↓
社内で担当者を決める
↓
広報ネタを集める
↓
自社サイトやSNSで発信する
↓
ニュース性のある情報はプレスリリースで届ける
という小さな仕組みから始めてみましょう。
実際に運用していく中で、
「もっと広報に力を入れたい」
となった段階で、専任担当者の採用や外部支援を検討しても遅くありません。
まとめ|広報担当者がいなくても広報は始められる
広報は、必ずしも「広報部」がなければできない仕事ではありません。
専任担当者がいない中小企業でも、
経営者が発信する
社員が兼任する
SNSや自社サイトを活用する
プレスリリースを配信する
必要な部分だけ外部へ依頼する
といった方法があります。
重要なのは、最初から完璧な広報体制を作ることではありません。
自社が無理なく続けられる広報の仕組みを作ることです。
まずは「誰に、何を伝えたいのか」を整理するところから始めてみましょう。
そして、自社にニュース性のある出来事が生まれたときは、プレスリリースによる情報発信も選択肢の一つです。
PR Compassでは今後も、中小企業や広報初心者に向けて、広報の始め方やプレスリリースの作り方、情報発信のノウハウをわかりやすく解説していきます。

