「プレスリリースは月に何本くらい配信すればいい?」
「1回配信して反応がなかったら、もうやめてもいい?」
「毎月配信した方が効果は出やすい?」
プレスリリースに取り組み始めると、このような「配信頻度」や「継続期間」に悩む企業は少なくありません。
結論からいえば、すべての企業に共通する「月○本が正解」という配信頻度はありません。
大切なのは本数を達成することではなく、ニュース性のある情報を継続的に発信することです。配信本数を先に決めるより、年間の事業予定や広報テーマを整理し、その中からメディアに届ける価値があるニュースを選ぶ方が実務的です。年間で発信機会を設計する方法は「中小企業の年間広報計画の作り方」で紹介しています。
一方で、1回だけプレスリリースを配信して「掲載されなかったから効果がない」と判断してしまうのも、少し早いといえます。
この記事では、プレスリリースの適切な配信頻度や継続期間について、広報初心者にも分かりやすく解説します。
プレスリリース配信サービスそのものの仕組みについて知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
→ 「プレスリリース配信サービスとは?仕組み・メリット・選び方を初心者向けに解説」
プレスリリースの配信頻度に「正解」はない
まず知っておきたいのが、プレスリリースには「必ず月○本配信すべき」という決まりはないということです。
新商品を頻繁に発売する企業と、年に数回しか大きなニュースが発生しない企業では、適切な配信頻度が異なります。
@Pressが運営するPRHACKでも、企業規模や事業内容によって適切な頻度は異なり、一律の正解を設定することは難しいと解説されています。
重要なのは、
「今月まだ1本しか出していないから、もう1本作ろう」
ではなく、
「この情報はメディアや社会に伝える価値のあるニュースなのか」
という視点です。
ニュース性のない情報を本数合わせのために配信しても、メディアに取り上げられる可能性が高まるとは限りません。
実際の企業はどのくらいの頻度で配信している?
では、企業は実際にどの程度プレスリリースを配信しているのでしょうか。
2022年に公表された広報・プレスリリース担当者への調査では、
- 月1〜2本程度:38.9%
- 2〜3カ月に1本程度:43.3%
- 半年に1〜2本程度:17.8%
という結果が報告されています。
この調査からも、企業によって配信頻度にはかなり幅があることが分かります。
したがって、「他社が月3本出しているから自社も3本」ではなく、自社で継続的にニュースを作れるペースを考えることが重要です。
PR Compassでは「月1〜3本」をひとつの目安に考える
明確な正解がないことを前提としたうえで、PR Compassでは、広報活動をこれから本格化する中小企業であれば、まず月1〜3本程度を現実的な運用目安として検討することをおすすめします。
これは「月3本出せば成果が出る」という意味ではありません。
例えば月に、
新サービスの発表、イベント開催、調査結果、導入事例、企業の新しい取り組み
など複数のニュースがある企業なら、月2〜3本配信しても不自然ではありません。
反対に、ニュースが1本しかない月に無理やり3本作る必要はありません。
本数よりもニュース性を優先する。
これが基本です。
「そもそもプレスリリースにできるネタが見つからない」という場合は、以下の記事でネタの探し方を紹介しています。
→ 「広報ネタがない会社必見!プレスリリースのネタ20選と見つけ方」
なぜプレスリリースは継続した方がいいのか
プレスリリースは、1回配信しただけで必ずメディア掲載につながるものではありません。
メディアには日々多くの情報が届いているため、最初のプレスリリースが記者の目に留まらないこともあります。
しかし継続して情報発信することで、
「この会社はこういう事業をしている」
「この分野について継続的に情報発信している」
と認識してもらえる機会が増えていきます。
@Pressも、継続配信のメリットとして、複数回メディアの目に触れることによる認知や、企業情報が蓄積されることによる安心・信頼につながる可能性を挙げています。
例えばあなたがより高い睡眠の質を求めていたとして、家にいきなり布団の営業マンが訪問し、「すごくいい布団があります!買ってください!」と言ったとしても購入しないでしょう。
問題は製品の質ではなく、関係性なのです。
実際、PR支援の現場でも年間を通じて継続的に情報提供やメディアとの接点を作る取り組みが行われています。
PR TIMESの年間PR支援事例では、年間50本以上のリリース作成・配信に加え、既存商品の継続的な情報提供などを行い、掲載機会の増加につながった事例も紹介されています。
もちろん、これは特定企業の事例であり、同じ本数をすべての企業に推奨するものではありません。
では、何カ月くらい続ければいい?
ここも「○カ月続ければ必ず成果が出る」という基準はありません。
ただし、PR Compassでは、広報活動の効果を判断するなら、単発ではなく数カ月単位で取り組むことをおすすめします。
例えば月1〜3本のペースであれば、まず3〜6カ月程度をひとつの検証期間として設定すると、
どのテーマに反応があったか、どのメディアが興味を持ったか、どんなタイトルが読まれたか、問い合わせやサイト流入につながったか
といった傾向を振り返りやすくなります。
ここで重要なのは、
「6カ月続ければ成功する」ではなく、「1回の結果だけで広報施策全体を判断しない」
という考え方です。
継続的な情報の発信が、メディアとの関係性構築にはどうしても必要なのです。
配信しすぎは逆効果になる?
配信本数が多いこと自体が問題なのではありません。
毎回きちんとニュース性があれば、短期間に複数本配信するケースもあります。
一方で、
「月3本契約だから3本出さないともったいない」
という理由だけでニュース性の弱い情報を配信するのはおすすめできません。
記者にとって重要なのは、その企業が契約している料金プランではなく、届いた情報に報道する価値があるかどうかだからです。
配信頻度を決める際には、料金だけではなく「自社が年間どのくらいニュースを作れるか」も考えてサービスを選びましょう。
料金体系については以下の記事で詳しく解説しています。
→ 「プレスリリース配信サービスの料金・費用相場は?料金体系と主要サービスの価格を解説」
継続配信するために「年間ネタカレンダー」を作ろう
「継続した方がいいのは分かった。でも毎月ネタなんてない」
という企業も多いでしょう。
そこでおすすめなのが、年間の広報ネタをあらかじめ洗い出しておくことです。
例えば、
新商品・新サービス、周年、イベント、季節企画、採用、調査、導入事例、業績、社会貢献、社内制度
など、年間予定を書き出してみます。
2025年に公表された、月1回以上プレスリリースを継続している経営者・役員101名への調査では、継続のために行っている施策として「年間配信計画の策定」と「月次のネタ出し会議」がそれぞれ46.5%、「各部署から情報を収集する仕組み」が39.6%でした。
つまり、継続配信できる企業は、毎月突然ネタを思いついているわけではなく、情報を集める仕組みそのものを作っているケースもあるわけです。
本数が決まったら、具体的な日時を決めるために、配信する曜日・時間・何日前に送るかの考え方を参考にしてください。
配信頻度に合わせて配信サービスを選ぶ
プレスリリース配信サービスには、1本ごとに料金が発生する従量課金型と、一定期間利用できる定額型などがあります。
年に2〜3本しか配信しない企業と、毎月2〜3本配信する企業では、適した料金体系が変わる可能性があります。
そのため、
「どのサービスが一番安いか」
ではなく、
「年間何本くらい配信する予定なのか」
まで考えて比較することが大切です。
配信サービスを選ぶ際の比較ポイントはこちらで詳しく解説しています。
→ 「プレスリリース配信サービスの選び方|失敗しないための7つの比較ポイント」
また、年間の配信本数が見えてきたら、次は各サービスの料金体系や特徴を比較してみましょう。主要5社の違いは以下の記事で詳しくまとめています。
→【2026年版】プレスリリース配信サービスおすすめ5社を比較|料金・特徴・目的別の選び方
よくある質問
Q. 月1本でも意味はありますか?
あります。ニュース性のある情報を月1本継続できるのであれば、無理に本数を増やす必要はありません。
Q. 月3本以上配信してはいけませんか?
いいえ。ニュース性のある情報が複数あるなら、月3本を超えて配信すること自体が問題というわけではありません。
Q. 1回配信して掲載されなかったら失敗ですか?
必ずしもそうではありません。掲載以外にも、メディアとの接点や今後の取材につながる可能性があります。1回の結果だけで広報活動全体を判断しないことが重要です。
Q. 毎月必ず同じ本数を出す必要がありますか?
ありません。ニュースの発生状況によって月ごとの本数が変わっても問題ありません。
まとめ|「何本出すか」より「何を継続して伝えるか」
プレスリリースの配信頻度に、すべての企業へ当てはまる正解はありません。
PR Compassでは、これから継続的な広報活動に取り組む企業なら、月1〜3本程度をひとつの運用目安として検討し、まず3〜6カ月程度を検証期間として取り組むという考え方をおすすめします。
ただし、これはノルマではありません。
ニュース性のない3本より、ニュース性のある1本。
そして、1回で判断するのではなく、継続して情報を発信し、その結果を振り返りながら改善する。
これがプレスリリースを広報活動として活用していくうえで大切な考え方です。

