「プレスリリースの書き方は分かった。でも、白紙の画面を前にすると手が止まる」。そんなときは、発表する内容に合うテンプレートを選び、必要な情報を埋めるところから始めてみましょう。
この記事では、コピーして使える基本テンプレートと、新商品・イベント・業務提携の3つの例文を紹介します。会社名を置き換えるだけで終わらず、どこに自社ならではの情報を加えるとニュースが伝わるのかも説明します。
以下のテンプレートと例文はPR Compass編集部が作成したものです。例文に登場する会社・商品・イベント・提携内容はすべて架空で、実際の発表や成功事例ではありません。自社の発表原稿を作る際にコピー・編集してご利用いただけます。[ ]内の項目は、確認済みの情報に置き換えてください。
まずは発表内容に合うテンプレートを選ぼう
プレスリリースには共通する基本構成がありますが、読者や記者が知りたい情報は発表内容によって変わります。新商品なら「何ができ、いつ、どこで買えるのか」、イベントなら「いつ、どこで、何を見られるのか」、業務提携なら「2社が組むことで何が実現するのか」を先に整理すると書きやすくなります。
| 発表内容 | 特に必要な情報 | 使う例文 |
|---|---|---|
| 新商品・新サービス | 対象者、特徴、発売・開始日、価格、購入・利用方法 | 新商品の例文 |
| イベント・セミナー | 開催目的、日時、会場、対象者、申込方法、取材案内 | イベントの例文 |
| 業務提携・共同事業 | 提携の目的、両社の役割、具体的な取り組み、今後の予定 | 業務提携の例文 |
構成や作成手順を基礎から確認したい方は、プレスリリースの書き方ガイドもあわせてご覧ください。このページでは、原稿のたたき台として使えるテンプレートと例文を中心に紹介します。
コピーして使えるプレスリリースの基本テンプレート
下の文章をWordやGoogleドキュメントなどへコピーし、[ ]を埋めて使ってください。すべての見出しを残す必要はありません。商品を紹介するなら「商品概要」、イベントなら「開催概要」のように、発表内容に合わせて調整します。
報道関係者各位
[発表日]
[会社・団体名]
[誰に、どのような新しい価値を届ける発表なのかが伝わるタイトル]
[タイトルを補足する情報。必要に応じて記載]
[事業内容]を手がける[会社名](本社:[所在地]、代表:[氏名])は、[対象者]に向けて、[商品・サービス・取り組み]を[開始日・場所・方法]により[発売・開始・開催]します。
■ 背景・目的
[どのような課題や要望があり、なぜ今回の取り組みを行うのか。調査データを使う場合は出典・調査時期・対象も記載]
■ 特徴・具体的な内容
1.[特徴と、それが対象者にとって役立つ理由]
2.[従来の商品・方法との具体的な違い]
3.[利用場面や実施内容]
■ 商品・サービス/開催概要
名称:[名称]
発売日・開始日/開催日時:[日時]
価格・参加費:[金額、税込・税抜の区別]
対象:[対象者]
販売場所・会場/利用方法:[場所や手順]
詳細・申込先:[公開してよいURL]
■ 会社概要
会社名:[会社名]
代表者:[役職・氏名]
所在地:[所在地]
事業内容:[事業内容]
公式サイト:[URL]
■ 本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先
[会社名・部署名・担当者名]
メール:[メールアドレス]
電話:[電話番号・対応時間]
写真や図を添える場合は、商品全体、実際の利用場面、会場など、発表内容を理解する助けになるものを選びます。画像の説明、提供元、掲載時に必要なクレジットも整理しておくと、取材対応を進めやすくなります。
例文1|新商品を発売するプレスリリース
新商品では、「新しく発売する」という事実に加えて、誰のどんな困りごとを解決するのかを伝えます。次の例は、狭い机で使うデスク用品を想定した架空の原稿です。
報道関係者各位
20XX年9月15日
株式会社サンプル文具
ノートパソコンの横に置ける幅12cmの収納トレー「すきまトレー」を10月1日発売
ペンと小物を上下2段に分けて整理。限られたデスクスペースを活用
デスク用品を企画・販売する株式会社サンプル文具(本社:福岡県福岡市、代表:[氏名])は、自宅やオフィスの小さな机で働く方に向けた収納用品「すきまトレー」を、20XX年10月1日から自社オンラインストアで発売します。
■ 開発の背景
ノートパソコンを置くと机の作業スペースが少なくなり、ペンや充電ケーブルの置き場に困ることがあります。当社はこの利用場面に着目し、机の横幅を大きく使わずに小物をまとめられる収納用品を企画しました。
■ 商品の特徴
幅12cm・奥行20cmの本体に、上下2段のトレーを設けています。上段にはペンや付箋、下段には充電ケーブルなどを分けて置けます。上段は取り外せるため、小物を整理したまま持ち運べます。
■ 商品概要
商品名:すきまトレー
発売日:20XX年10月1日
価格:2,200円(税込)
サイズ:幅12cm×奥行20cm×高さ10cm
販売方法:自社オンラインストア
商品詳細:[商品ページURL]
■ 会社概要・お問い合わせ
会社名:株式会社サンプル文具
代表者:[氏名]
所在地:[所在地]
事業内容:デスク用品の企画・販売
公式サイト:[URL]
報道窓口:[担当部署・担当者名・メール・電話]
この例では、「便利」「画期的」といった評価語の代わりに、サイズ、構造、使う場面を示しています。読者が自分で価値を判断できる情報を増やすことがポイントです。数値や仕様はあくまで例なので、自社の確認済みの情報へ置き換えましょう。
例文2|イベント・セミナーを開催するプレスリリース
イベントでは、参加者向けの案内と報道関係者向けの取材案内を分けると、必要な情報が見つけやすくなります。日時・会場だけでなく、当日に何を体験・撮影できるのかまで伝えましょう。
報道関係者各位
20XX年9月15日
株式会社サンプル工房
家具づくりの端材で小物入れを作る親子ワークショップを10月18日に福岡市で開催
工房見学と制作体験を通じて、木材の使い方を学ぶ
家具の製造・販売を行う株式会社サンプル工房(本社:福岡県福岡市、代表:[氏名])は、小学生と保護者を対象とした「端材でつくる親子ワークショップ」を、20XX年10月18日に自社工房で開催します。家具づくりで生じた端材を使い、親子で小物入れを制作する体験イベントです。
■ 開催の目的と内容
家具の加工では、製品の寸法に合わせて木材を切り出す過程で端材が生じます。本イベントでは、普段は完成品から見えにくい製造工程を紹介し、端材にも使い道があることを体験してもらいます。当日は工房見学の後、スタッフの補助を受けながら小物入れを作ります。
■ 開催概要
名称:端材でつくる親子ワークショップ
日時:20XX年10月18日 10時〜12時
会場:サンプル工房[所在地・アクセス]
対象:小学生と保護者
定員:親子10組(事前申込・先着順)
参加費:1組1,000円(税込・材料費込み)
申込方法:[申込フォームURL]
申込期限:20XX年10月10日。ただし定員に達し次第終了
■ 報道関係者の取材について
工房見学と制作体験の様子を取材いただけます。取材をご希望の場合は、10月14日までに下記窓口へご連絡ください。参加者の撮影可否は、当日の案内に従っていただくようお願いします。
■ 会社概要・お問い合わせ
会社名:株式会社サンプル工房
代表者:[氏名]
所在地:[所在地]
事業内容:家具の製造・販売
公式サイト:[URL]
報道窓口:[担当部署・担当者名・メール・電話]
開催前の告知では予定を、開催後の報告では実施した内容や実際の参加人数を記載します。参加見込みを実績のように書かないよう注意してください。また、参加申込と取材申込の期限が異なる場合は、それぞれ明記しましょう。
配信する時期は、集客のための告知なのか、取材を呼び込みたいのかによっても変わります。詳しくはプレスリリースの配信タイミングで解説しています。
例文3|業務提携を発表するプレスリリース
業務提携は「2社が提携しました」だけでは、社会や顧客にとっての意味が伝わりにくいテーマです。両社の役割と、協力することで提供できる具体的な価値を中心に書きましょう。
報道関係者各位
20XX年9月15日
株式会社サンプルシステム
株式会社サンプル支援
サンプルシステムとサンプル支援、中小製造業の在庫管理導入支援で業務提携
システム提供と現場の運用設計を組み合わせ、10月から共同相談を開始
在庫管理システムを開発する株式会社サンプルシステム(本社:[所在地]、代表:[氏名])と、製造業の業務改善を支援する株式会社サンプル支援(本社:[所在地]、代表:[氏名])は、20XX年9月15日、中小製造業の在庫管理導入支援に関する業務提携契約を締結しました。両社は10月1日から、システム導入と現場の運用づくりを一体で検討する共同相談を開始します。
■ 提携の背景
在庫管理をデジタル化するには、システムを選ぶだけでなく、誰がどの時点で入出庫を記録するかを決める必要があります。両社は、システムと現場運用を並行して設計できる支援体制をつくるため、今回の提携に至りました。
■ 両社の役割と取り組み
サンプルシステムは在庫管理システムの提供と操作説明を担当します。サンプル支援は現場の業務整理、入力ルールの設計、担当者への運用支援を担当します。共同相談では現状の管理方法を確認し、企業ごとに導入範囲と進め方を提案します。
■ 今後の予定
20XX年10月1日から共同相談を受け付けます。支援内容・費用・導入時期は、個別の相談内容に応じて案内します。相談窓口:[URL]
■ 会社概要
株式会社サンプルシステム:[代表者・所在地・事業内容・公式サイト]
株式会社サンプル支援:[代表者・所在地・事業内容・公式サイト]
■ 本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先
[今回の発表の代表窓口となる会社名・部署名・担当者名]
[メールアドレス・電話番号]
提携先には、社名や役職の表記だけでなく、提携範囲、発表日、今後の予定、問い合わせ窓口まで確認してもらいましょう。「提供を開始したこと」と「これから検討すること」を分けて書くと、誤解を防ぎやすくなります。
テンプレートを自社のニュースに変える3つの工夫
1.会社名より先に「伝えたい新しい事実」を決める
テンプレートの空欄を埋める前に、「今回、何が新しくなるのか」を一文にしてみてください。新商品なら機能や利用場面、イベントなら体験できる内容、提携なら新たに提供できる支援が軸になります。その一文に関係する情報を足すと、原稿の焦点がぼやけにくくなります。
2.形容詞を、確認できる具体的な情報へ置き換える
「使いやすい商品」だけでは、どこが使いやすいのか分かりません。たとえば「上段を取り外して持ち運べる」と書けば、使う場面を想像できます。「大好評」「業界初」「No.1」といった表現は、裏付けと条件を確認できないまま加えないようにしましょう。
見出しの改善例をさらに見たい方は、プレスリリースのタイトルの付け方を参考にしてください。
3.読み手が次に必要とする情報を揃える
商品に興味を持った人には購入方法が、取材したい記者には担当者への連絡方法が必要です。原稿が整っていても、詳細ページが未公開だったり、窓口に連絡が届かなかったりすると、その先につながりません。文章の見栄えと同じくらい、次の行動に必要な情報を確認しましょう。
配信前に確認したいチェックリスト
- タイトルと冒頭で、何の発表かが分かる。
- 会社名・商品名・役職・日時・金額に誤りがない。
- [ ]や「20XX」など、テンプレートの仮表記が残っていない。
- 数値や比較表現には、確認できる根拠がある。
- 提携先や関係部署による確認が完了している。
- 画像の使用・掲載条件とクレジットを確認している。
- 商品・申込ページが公開され、リンクが正しく開く。
- 報道窓口が実際に連絡を受け、対応できる。
他社の発表を参考にする場合も、文章や画像をそのまま自社の原稿に流用しないようにしましょう。参考にしたいのは情報の並べ方や説明の観点であり、事実や表現は自社の内容に合わせて作り直します。
よくある質問
テンプレートは無料で使えますか?
このページで紹介したテンプレート・例文は、自社のプレスリリースを作るために無料でコピー・編集して使えます。会社・商品・数値などは架空の設定なので、必ず自社の事実に置き換えてください。
WordとPDF、どちらで作ればよいですか?
社内で原稿を編集・確認する段階では、WordやGoogleドキュメントなど、関係者が扱いやすい形式で構いません。実際に送る際は、媒体や配信サービスが指定する形式に合わせます。この記事のテンプレートは本文をコピーして使う形式です。
テンプレートどおりに書けば掲載されますか?
掲載は保証されません。テンプレートは情報を整理する道具です。ニュースの内容、媒体の読者との関連性、配信する時期なども関わります。そもそも何を発表するか迷っている場合は、プレスリリースのネタ20選から自社の話題を探してみましょう。
原稿ができたら、誰にどう届けるかを決めよう
テンプレートで原稿を作ったら、次は送り先です。自社で相性のよいメディアへ直接送る方法も、配信サービスで情報提供を効率化する方法もあります。どちらを使う場合も、発表内容に関心を持ちそうな媒体を考えることが大切です。
送り先を探す方はプレスリリースの送り先とメディアの探し方へ。サービスを検討する方は、主要プレスリリース配信サービス5社の比較で料金体系や特徴を確認できます。
「原稿はできたけれど、配信先や利用プランで迷っている」という企業の方へ。PR Compassでは、企業の目的や配信内容、配信頻度に応じたご相談を受け付けています。
構成を確認するための参考資料:@Press「プレスリリースの書き方」。本記事のテンプレート・架空例文はPR Compass編集部による独自作成です。

