プレスリリースを配信しても掲載されないのはなぜ?取材につながらない7つの理由と改善策

プレスリリースが掲載されない7つの理由と取材につなげる改善策をまとめた図解 メディアリレーション

「プレスリリースを配信したのに、どのメディアにも取り上げられなかった」

広報を始めたばかりの企業ほど、1回の配信結果を見て「内容が悪かったのではないか」「配信サービスを変えた方がいいのではないか」と不安になりやすいものです。

しかし、プレスリリースが掲載されない理由は一つではありません。ニュース性そのものに課題がある場合もあれば、届ける媒体が合っていない、メール件名やタイトルで興味を持ってもらえていない、記事化に必要な素材が不足しているなど、さまざまな原因が考えられます。

大切なのは、「掲載されなかった=失敗」と一括りにせず、どの段階で止まったのかを切り分けることです。

この記事では、広報支援の実務経験をもとに、プレスリリースを配信しても掲載・取材につながらない主な7つの理由と、次回の配信で改善するための具体的なポイントを解説します。

まず知っておきたい|プレスリリース配信とメディア掲載は別物

最初に押さえておきたいのは、プレスリリースを「配信すること」と、新聞・テレビ・Webメディアなどに「記事として掲載されること」は別だという点です。

配信サービスを利用した場合でも、自社から直接メディアへ送った場合でも、最終的に記事化するかどうかを判断するのはメディア側です。プレスリリースは、掲載枠を購入する広告ではなく、記者や編集者へニュースの材料を提供するための情報発信手段です。

この違いについては、プレスリリース配信サービスとは?仕組み・メリット・選び方を初心者向けに解説でも詳しく紹介しています。

そのため、配信したのに記事化されなかったときは、単純に「サービスが悪い」「原稿が悪い」と決めつけるのではなく、次のように段階を分けて考えると改善点が見つけやすくなります。

  • そもそも適切なメディアへ届いていたか
  • 件名やタイトルを見て、本文を読む理由があったか
  • 本文を読んだときにニュース価値が伝わったか
  • 記事を書くために必要な情報・素材が揃っていたか
  • 媒体の企画や制作スケジュールとタイミングが合っていたか

つまり、「掲載されない」という結果だけを見るのではなく、どこでメディア側の検討が止まった可能性があるのかを考えることが重要です。

プレスリリースが掲載されない7つの理由

1.企業にとっての重要ニュースであっても、メディアにとってのニュースになっていない

最も見直したいのが、プレスリリースそのもののニュース性です。

企業側からすると、新商品や新サービスの発売、機能追加、新しい取り組みなどは大きな出来事です。しかし、メディアが考えるのは「その情報が読者や視聴者にとってニュースになるか」という点です。

たとえば「新サービスを開始しました」だけでは、単なる企業の告知に見えてしまうことがあります。一方で、「なぜ今このサービスが必要なのか」「どのような社会・業界課題に対応するのか」「これまでとの違いは何か」といった背景が加わると、ニュースとしての意味が見えやすくなります。

PR TIMES MAGAZINEでも、取材につながらない原因の一つとして、宣伝色が強くニュースとして成立していないケースを挙げています。企業が伝えたい情報と、メディアが読者へ届けたい情報にはズレが生まれることがあるためです。

プレスリリースを作る前に、「この発表の何が新しいのか」「誰に影響するのか」「なぜ今伝える必要があるのか」を整理しましょう。

広報ネタそのものの見つけ方に迷う場合は、広報ネタがない会社必見!プレスリリースのネタ20選と見つけ方も参考にしてください。

2.送付先のメディアとニュースの相性が合っていない

どれだけ良いプレスリリースでも、届ける相手が違えば取材にはつながりにくくなります。

たとえば建設業界向けの専門サービスを、生活情報中心のメディアへ大量に送っても、記事化される可能性は高くありません。反対に、業界紙や専門Webメディアであれば、一般には小さく見えるニュースでも読者にとって重要な情報になることがあります。

PR Compass編集部では、広報支援の実務で約1,000媒体のメディアリストをゼロから調べた経験があります。その際に改めて感じたのは、「媒体数を増やすこと」と「適切な媒体を選ぶこと」はまったく別だということです。

同じ「ITメディア」「ビジネスメディア」に見えても、スタートアップを多く扱う媒体、企業のDX事例を扱う媒体、製品レビューを中心にする媒体など、編集方針はそれぞれ異なります。

送付先は件数で考えるのではなく、過去の記事を確認し、「この媒体なら今回のニュースを扱う可能性があるか」という視点で絞り込みましょう。

媒体の探し方はプレスリリースの送り先はどこ?メディアの探し方と送付方法を徹底解説、リストの具体的な作り方はメディアリストの作り方|約1,000媒体をゼロから調べて分かった実務手順と管理のコツで詳しく解説しています。

3.メール件名・タイトルで内容が伝わらず、本文まで読まれていない

ニュース性のある内容でも、本文を読んでもらえなければ取材候補にはなりません。特にメールで情報提供する場合、最初の関門になるのがメール件名とプレスリリースのタイトルです。件名の付け方や本文の例文、PDF添付とURLの使い分けまで確認したい場合は、「プレスリリースをメールで送る方法|件名・本文の例文3選と7つのNG」も参考にしてください。

共同通信PRワイヤーが公表したメディア関係者への調査では、受信したプレスリリースを詳しく読むか判断する際に最も重視するものとして、「メールの件名」が45.8%、「プレスリリースのタイトル」が35.8%という結果が示されています。

つまり、本文の完成度を上げるだけでは不十分で、最初の数秒で「何のニュースなのか」を理解できる状態にする必要があります。

よくあるのが、次のような件名です。

  • 「プレスリリース送付のご案内」
  • 「新サービスのお知らせ」
  • 「ぜひご覧ください」

これだけでは、受け取った側がメールを開く理由を判断できません。

「誰が」「何を」「いつ」「どうしたのか」をできるだけ具体的にし、新規性・数字・地域性・社会性など、そのニュースの特徴が分かる言葉を前半に入れましょう。

タイトルの改善方法については、プレスリリースのタイトルの付け方|メディアに読まれる見出しを作る7つのコツで例を交えて解説しています。

4.リード文や本文を読んでも「結局何がニュースなのか」が分からない

タイトルで興味を持ってもらっても、冒頭を読んだ時点で内容が理解できなければ、その先まで読み進めてもらえない可能性があります。

プレスリリースでは、会社の思いやサービスへのこだわりを詳しく説明する前に、まず「何を発表するのか」を明確にすることが大切です。

特に冒頭では、次の情報を短く整理すると伝わりやすくなります。

  • 誰が発表するのか
  • 何を始める・発売するのか
  • いつからなのか
  • 誰を対象としているのか
  • 何が新しい・特徴的なのか

専門用語や社内用語が多い原稿も注意が必要です。企業側では当たり前に使っている言葉でも、初めて見る記者には意味が伝わらないことがあります。

「担当者が詳しく説明すれば分かる」ではなく、プレスリリースだけを読んでも最低限のニュースが理解できる状態を目指しましょう。

基本構成から見直したい場合は、プレスリリースの書き方とは?初心者でもわかる基本構成と作成手順を徹底解説と、プレスリリースのテンプレート・例文集も活用できます。

5.記事化するための「材料」が不足している

ニュースとして興味を持ってもらえても、記事を書くための材料が不足していると、編集部側の負担が大きくなります。

たとえば新商品なら、商品画像、価格、発売日、販売場所、特徴、開発背景などが必要です。調査リリースであれば、調査対象、調査期間、回答数、調査方法、グラフなどが求められます。

また、人物や企業の取り組みを扱うニュースなら、担当者・代表者のコメントやプロフィール、取材可能な日時などがあると、企画を検討しやすくなります。

ここで大切なのは、情報量をむやみに増やすことではありません。

「記者がこの記事を書くとしたら、追加で何を調べる必要があるか」を想像し、その手間を減らす情報を用意することです。

本文が長くなりすぎる場合は、すべてを文章で詰め込むのではなく、画像、図表、参考資料、公式サイトへのリンクなどを使い分けましょう。

6.配信するタイミングが媒体のスケジュールと合っていない

プレスリリースは、内容だけでなく「いつ届けるか」も重要です。

たとえばイベントの前日に雑誌へ情報を送っても、誌面の制作スケジュール上、掲載が間に合わない可能性があります。反対にWebメディアの場合は、ニュース性が高ければ比較的短い期間で掲載されるケースもあります。

新聞、テレビ、雑誌、Webでは、情報を必要とする時期が異なります。

また、同じニュースでも大型連休前、年末年始、業界の大型イベント開催時などは、編集部へ届く情報量や担当者の稼働状況が通常と異なることがあります。

「火曜日の10時に送れば掲載される」といった万能な時間帯があるわけではありません。自社が届けたい媒体が、いつ情報を必要としているかを考える方が重要です。

媒体別の考え方や曜日・時間帯の目安については、プレスリリースを配信するタイミングはいつ?おすすめの曜日・時間帯を徹底解説で詳しく紹介しています。

7.配信して終わりになり、次の改善につながっていない

1回の配信で掲載されなかったこと自体よりも、何も振り返らず次回も同じ配信を繰り返すことの方が問題です。

配信後は、確認できる範囲で「どの媒体へ送ったか」「どのような反応があったか」「閲覧数や転載状況はどうだったか」「問い合わせや取材があったか」を記録しておきましょう。

配信サービスを利用している場合、閲覧数や転載状況などを確認できることがあります。ただし、数字が高い・低いだけで成功や失敗を判断するのではなく、次回の改善材料として使うことが重要です。

たとえば、閲覧されているのに取材がないのであれば、タイトルよりもニュース性や記事化素材を見直す余地があります。反対に、そもそも閲覧されていないのであれば、件名・タイトル・送付先・タイミングを疑う方が自然です。

配信後に見るべき指標については、プレスリリースの効果測定とは?配信後に見るべきKPIと次回につなげる振り返り方で整理しています。

「掲載されなかった理由」は反応別に切り分ける

実際の振り返りでは、原因を一つ決めつけるより、メディア側の反応によって仮説を立てると改善しやすくなります。

配信後の状況 最初に疑いたいポイント 次回の改善例
ほとんど反応が見えない 送付先、件名、タイトル、タイミング 対象媒体を絞る、件名を具体化する、配信時期を見直す
閲覧はあるが問い合わせがない ニュース性、切り口、記事化素材 社会性・新規性を整理し、データや画像を追加する
問い合わせはあるが掲載されない 追加情報、取材対応、編集上の都合 素材提供を早くする、取材可能日時を明確にする。取材依頼が来た後の対応手順はこちらで確認できます
転載はあるが独自記事にならない ニュース価値、独自性、媒体との相性 転載数だけで評価せず、狙う媒体と切り口を再検討する
複数回配信しても反応がない テーマそのもの、ターゲット設定 発信ネタや届けたいメディアを一度ゼロから見直す

もちろん、この表だけで原因を断定できるわけではありません。記者や編集部が記事を見送る理由は、他の大きなニュースが入った、掲載枠がなかった、似たテーマを直近で扱ったなど、企業側では把握できない事情もあります。

だからこそ、1回の結果で結論を出すのではなく、自社で改善できる要素を一つずつ見直すことが現実的です。

掲載されなかったときに実務で確認したい5つの質問

次回の配信に進む前に、PR Compassでは次の5つの視点で振り返ることをおすすめします。

1.このニュースは「自社が言いたいこと」だけになっていないか

商品・サービスの説明だけで終わっていないか確認します。読者・社会・業界にとっての意味を一文で説明できなければ、切り口をもう一度考えてみましょう。

2.送ったメディアは、本当にこのテーマを扱っているか

媒体名だけで判断せず、直近の記事を確認します。自社と同じ業界の記事があっても、ニュースの種類が違えば対象外になることがあります。

3.件名とタイトルだけで内容が分かるか

本文を読まなくても、「何が起きたのか」「何が新しいのか」が伝わるか確認します。社名やサービス名だけを前面に出しすぎると、初見の人にはニュースの価値が伝わりにくい場合があります。

4.記事を書くための材料が揃っているか

画像、数字、背景、コメント、問い合わせ先、取材可能な担当者などを確認します。特に写真やデータは、後から依頼されて慌てるのではなく、配信時点で準備しておくと対応しやすくなります。

5.今回の配信結果を次回に残しているか

「掲載された・されなかった」だけではなく、送付先、日時、件名、タイトル、反応、掲載媒体などを記録しましょう。数回分のデータが溜まると、自社のニュースと相性が良い媒体や切り口が少しずつ見えてきます。

記者へのフォローはどうする?「返事がないから何度も送る」は避ける

掲載されないと、「届いていないのではないか」と不安になり、同じプレスリリースを何度も送りたくなることがあります。

しかし、短期間に同じ内容を繰り返し送ったり、関係の薄い記者へ一斉に電話したりすることはおすすめできません。記者や編集者には取材・編集・企画会議などの業務があり、情報提供への返信が必ずあるわけではないからです。

どうしても追加で伝える必要がある場合は、「新しいデータが追加された」「イベント日程が近づいた」「取材可能な機会ができた」など、相手にとって意味のある追加情報があるかを考えましょう。

単なる「見ていただけましたか?」ではなく、新しい価値を付けて再度情報提供できるかがポイントです。

1回掲載されなかったからといって、プレスリリースをやめる必要はない

プレスリリースは、1回配信すれば必ず取材につながるものではありません。

企業名を初めて見る記者もいれば、その時点では企画にならなくても、数カ月後に別のテーマで情報源として思い出してもらえる場合もあります。継続的に発信することで、「この会社はこの分野の情報を持っている」と認識される機会も増えていきます。

一方で、掲載されないからといってニュース性の弱い情報を無理に大量配信する必要もありません。

「発信する価値のあるニュースを作る」「適切な相手へ届ける」「結果を振り返る」というサイクルを回すことが大切です。

配信頻度や継続期間について迷っている場合は、プレスリリースはどのくらいの頻度で配信する?月何本・何カ月続けるべきかを解説も参考にしてください。

プレスリリースが掲載されないときのチェックリスト

次回の配信前に、最低限次の項目を確認してみてください。

  • 発表内容に新規性・社会性・独自性のいずれかがある
  • 「なぜ今なのか」を説明できる
  • 届けたい読者・視聴者が明確になっている
  • その読者に合った媒体を選んでいる
  • メール件名だけでもニュースの内容が分かる
  • タイトルに具体的な情報が入っている
  • リード文で発表内容を短く説明できている
  • 専門用語・社内用語に頼りすぎていない
  • 画像・データ・コメントなど記事化素材が揃っている
  • 問い合わせ先がすぐ分かる
  • 媒体の制作スケジュールを考えて配信している
  • 配信後の結果を記録する仕組みがある

すべてを完璧にする必要はありません。掲載されなかった配信ほど、次の広報活動に使える情報が多く残っています。

まとめ|「掲載されなかった」で終わらせず、どこで止まったかを考えよう

プレスリリースがメディアに掲載されない理由は、原稿の文章力だけではありません。

ニュース性、媒体選定、メール件名・タイトル、本文の分かりやすさ、記事化素材、タイミング、配信後の振り返りなど、複数の要素が重なっています。

だからこそ、1回の配信結果を見て「プレスリリースは意味がない」と判断するのではなく、どの段階に改善余地があるのかを切り分けてみましょう。

特に重要なのは、企業が伝えたいニュースを、メディアが扱いやすい情報へ変換することです。

PR Compassでは、広報・PRの実務経験をもとに、プレスリリースの作成、送り先の考え方、メディアリスト、配信サービスの選び方、効果測定まで実務で使える情報を発信しています。

「配信を続けているのに取材につながらない」「自社の場合はどこを見直せばいいか分からない」という場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。

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